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コラム
 <2003年44号(春号)>
 WOODY COLUMN
沖縄の住宅
木村 宗光(大和ハウス工業)
最近、沖縄の住まい、自然を見る機会があった。内地とまったく違う自然や気候、住まいと食事。沖縄の印象は、訪れる時期にもよるが、2月の沖縄は暖かく、内地の寒さを忘れ快適であった。

住宅は、内地と異なり大半がRC造で、戦後の米軍がもたらしたものである。台風が多い土地では、安心感があり大いに普及した。しかも熱容量の大きい構造は、昼間は涼しく、その意味では適していると言える。そして、白蟻がすごいと言う。大和白蟻はかなり獰猛であり、この点でもRC造は良いのかも知れない。

しかし、RCで出来た住宅の街並は、どこかゴツゴツとして大味な感じである。内地では余り見掛けないこの風景は日本的ではない。

一方室内はと言うと最近までは、板貼りの内装が多く特徴的である。この辺は、昔の沖縄の住宅のイメージを残している様だが、最近では、内地と変わらなくなりつつある。

沖縄在住の建築家が設計をした個人住宅を訪れたが、コンクリートブロックと木を組み合わせた、建物は、硬質なコンクリートと木がうまくマッチしている。屋外空間と建物が一体化され気候の良い中間季は、木陰となる中庭が気持ちの良い場所となる。住宅部分は天井も高く通風の良い設計は夏場もエアコン不要(?)かとも感じられた。

首里の丘の上にある昔の沖縄の住まいを使った食べ物屋に行った。伝統的な沖縄の住宅は、自然のままの木を使った開放的な作りで、風通しが良くそよ風に吹かれて心地よい。ここで、取る沖縄の食事は、ことのほかうまかった。この様な家の作り方は、今、我々が直面している室内空気質の問題などは、全く心配ないと言って良いし、まして換気システムも不要である。

省エネルギー性向上の為に高気密化、高断熱化は避けて通れないが、この様な住宅を見るにつけ我々のライフスタイルも含めて何か他に良い方法が無いものかとつくづく思うのである。
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