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----2004年4月---- |
●「明かりを変えると暮らしが変わる」 |
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人は五官を通して外界から情報を集めていますが、視覚からの情報が圧倒的に多くて87%を占めると言われます。目はそれほどに重要な器官であり、それだけ酷使されてもいるのです。目に優しい明かりを考えることはすなわち、心と体に優しい環境を考えることになります。
私たちの住まいの明かりは、戦後の蛍光灯の普及とその技術革新に伴って随分と明るく、便利で、省エネなものになってきました。特に40代後半からの”高齢化”した目にとって、”明るい”ことは実に助かるものです。しかし”明るい”だけでは困ることもあります。人は本来、昼行性の動物で、明るいと活動的になり、暗いと休息的になるものですから、ほんのりと暖かく灯ったスタンドやブラケットの明かりのほの暗さの中でこそ、本当にゆったりと寛げるのです。脳波にアルファー波が顕れ、血液中にメラトニンが分泌し始めます。こうして生体リズムが整えられると、その後の良質な睡眠への導入ともなります。十分な明るさの中で活動した後は、心地よい暗さを愉しむことも必要なのです。
色々な生活シーンに合わせて明かりも様々に変化してこそ、まるでドラマの舞台のように日々の暮らしが豊かなふくらみを持ってきます。「明かりを変えると暮らしが変わる」ということを、是非愉しんで頂きたいと思います。
日本健康住宅協会
元 光・視環境部会長
くらし明かり研究所「彩」代表 横田健治
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