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----2003年7月・8月・9月---- |
●「簡単にできるダニ対策」 |
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アレルギー体質の人が増えているようです。アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は身の回りにたくさん存在していますが、その1つにヒョウヒダニ類があげられます。このダニ類は室内の塵に多く生息しており、成虫、死骸、糞はアレルゲンとなり、アレルギー性喘息、鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎などを引き起こします。
この40年間で、室内塵から検出される総ダニ類に占めるヒョウヒダニ類の割合が増加しており、70%以上をこのダニ類が占めています。ダニが繁殖するためには、3つの条件があります。第1に高温多湿な環境です。温度20〜30℃、湿度60%以上でよく繁殖します。アルミサッシの使用を始めとする住宅の使用建材が変わり、住宅の高気密化、高断熱化が進み、また冷暖房も備わったため、一年中快適な環境の中で過ごせるようになりました。その結果、室内が高温湿度に保たれやすくなりました。第2の条件は食べ物です。人やペットのフケやアカ、カビ、食品のカスなどは餌になります。共働き世帯が増えたためか、昔にくらべて掃除の回数が減ったとしたら、餌の量は増えていることになります。そして第3に産卵場所です。ダニは明るい所を嫌うため、畳の隙間、絨毯、寝具、衣類、ぬいぐるみなどに潜って産卵します。今の家屋内で産卵場所に困ることはありません。
それでは、このヒョウヒダニ類の対策はどうすればいいのでしょうか。最も簡単で有効な手段は電気掃除機で塵を吸い取ることです。吸込み仕事率150W以上のものを使用し、畳を20秒/平米かけると、表面の8割以上のダニを除去することができるようです。絨毯の場合は、コーナーノズルを使用すると効果的です。寝具を天日干しの後たたくと、表面のアレルゲンは除去されますが、内部に溜まっていたアレルゲンが表面に出てきてしまいます。そのためたたいた後は、表面に掃除機をかけて除去することが必要になります。ヒョウヒダニ類は50℃以上で死減するので、布団乾燥機の活用も有効です。この場合も機械にかけた後は、掃除機で表面のアレルゲンを吸引しましょう。また室内にこもった湿気を逃がすため、窓や通風口を開けたり、換気扇を回したりして風通しをよくすることも大事です。
ところで、室内塵にはかゆみの原因となる種類のダニも存在することがあります。ただし1年中かゆく、体中がかゆく、自分だけがかゆい場合は、ダニ以外にその原因がありそうです。
環境生物部会 尾崎慶太郎
株式会社児玉商会
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