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KJK INFO
----2003年6月----
 ●「健康な住まい方の工夫」
 
住宅の性能も高断熱・高気密をはじめとして向上し、昔と今とでは大きく変化してきています。しかし我々は、住宅の変化に対応して、その住まいにふさわしい住まい方を必ずしも実行できているとは限らないのではないかと思われます。例えば、新しい住まい方がわからなかったり、昔からの健康な住まい方の知恵が生かされていなかったり。また、住まい手のライフスタイルの個性化・多様化による影響も見逃せない要因となっています。

そのため同じ住宅でも、住まい方の違いによって健康に暮らせたり、逆に不健康になってしまったりということになります。今回は、健康な住まい方の注意点・工夫について、いくつかお話をしたいと思います。

結露やカビの対策としては、室内で極力水蒸気を発生させないことが大切です。石油ファンヒーターなどの開放型暖房器具や、洗濯物の室内干し等も水蒸気を大量に発生させるため、できるだけ避けることが必要です。

また、シックハウスの原因となっているVOCについても、今回の建築基準法等の改正で住宅そのものの対策は強化されています。しかし、いくら住宅の性能がよくなっても、ホルムアルデヒドを発生する材料を使った家具等を住まい手が住宅内に持ちこめば、住まい手自身がシックハウスの原因を作ることになります。そのため、家具等を選ぶ際にも十分注意を払う必要があります。

結露・カビやVOC等に対して効果的な対策は「換気」です。昔の住宅はいたる所に隙間があり自然に換気をしていましたが、最近の高気密住宅は自然換気だけでは換気量が不十分なため、住まい手が意識して十分な換気を心がける必要があります。こまめに窓をあけたり、結露しやすい押入などは晴れた日に襖をあけて風を通したり、浴室や台所では発生場所で十分な換気を行なうことが大切です。

同時に「換気」は省エネルギーや快適性の確保に対しても重要なアイテムとなります。住宅内に自然な風が流れるように「風の道」を確保したり、植栽や生垣などで風を住宅内に引き込む工夫も大切です。

このように、住まい手が健康な住まい方を意識しながら実践・習慣付けていくことによってはじめて、住宅というハードと住まい方というソフトがマッチした真の健康住宅を手にすることができるのではないでしょうか。
住まい方部会
濱野 稔
大和ハウス工業株式会社

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