----2003年2月---- |
●「床の冷たさを考える」 |
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昔の家では、冬になると床が冷たく、素足で歩くと痛くなるほどでした。
床の冷たさは今でも冬の住環境問題の大きなテーマです。台所での炊事、脱衣所での洗濯など、冷え症の女性にとっては、冬期辛い仕事になるのではないでしょうか。
床の冷たさを考える場合、その冷たさが伝わってくる床下環境について考えてみることが大切です。床下の温度変化は、外気に比べ変動が少なく、太平洋側の一般的住宅では、2月頃約3、4℃〜8、9℃の間で変動をします。外壁や窓ガラスなどは、環境に対する配慮から断熱性を重要視しますが、床下の温度変化は小さいので、外壁に比べ求められる断熱性能は、低くても良いと思われます。しかし、足元が常に接している床の温度は、体感的には大変重要です。
床の断熱性能を高めた住宅は、最近増えていますが、既設住宅では不十分なものが多いようです。グラスウールを断熱材として用いた住宅では、断熱材が年月を経て垂れ下がりだし、床板から離れて断熱材がその性能を発揮していません。これでは熱損失が大変大きいのです。
また一方で、空気が滞留すると、湿度の上昇をまねき、木材の腐朽、カビ、シロアリの発生を助長し耐久性を損ないます。
耐久性と快適性の両面を追求するならば、しっかりとした断熱と床下空気の換気確保が必要といれるでしょう。
床下の断熱性能の向上は既設住宅の床下からも施工が可能です。御自宅の床下を一度点検してみてはいかがでしょうか。
床下環境部会
中野英樹
NITTOH株式会社
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----2003年1月---- |
●「省エネと結露」 |
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冬の寒い日などに窓につく水滴が結露です。
最近、その結露による建物の損傷が増えています。結露・カビで困っている家は、半数以上と云われています。日本の住宅は、政府の省エネルギー政策もあり、断熱性や気密性の高さが求められる傾向にあります。平成4年2月に「新・省エネルギー基準」が制定された後、地球温暖化防止策の重要政策として、平成11年3月に「次世代省エネルギー基準」が制定されました。この基準においては、熱損失係数、日射取得係数、気密性能の3つの指標を用いて住宅の省エネルギー性能を評価することになっています。
気密性能は、新・省エネ基準では定めていなかったのですが、次世代省エネでは5cm2/m2以下(床面積1m2あたりのすき間面積が5cm2以下)と定められています(北海道などを除く)。
よく云われる吉田兼好の「家の造りようは夏を旨とすべし」の住宅とは大きく変わってきたのですから、それに対応した住まい方が必要になります。したがって住まい方が悪いと、室内のあちこちで結露が発生し易くなっているのです。結露を予防することと、結露が発生した時の治し方を覚えておくことが大切です。当会発行の「結露を予防して気持ち良く暮らそう」に詳しく書いてあります。
防露部会
石本徳三郎
日本健康住宅協会
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----2002年秋号---- |
●「健住協事務局からのごあいさつ」 |
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晩秋に入り、山々や公園・街路・庭に赤・黄の彩りが広がり、日ごとに深まり行く秋をアピールしています。会員の皆様いかがお過しでしょうか。
さて当協会としての重点取組みである『ハウスメンテナー制度の充実』については、「健康住宅アドバイザーコース」の来年度版新テキストづくりが着手され、「健康住宅スペシャリストコース」は室内空気環境の研修をトライアル実施するなど、両コースともに計画通り進捗しています。
また当秋号から健住協イベントレポートを“皆様により身近に”をめざして、ホームページに掲載してまいります。まだ生まれたばかりで未熟な点も多々あろうかと思いますが、皆様のご支援をいただいて、充実させていくつもりです。
併せてホームページも“健康住宅に関する情報の広場”として一段の充実に取り組んでまいります。どうぞ今後ともご愛顧いただきますようよろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、朝夕、めっきり冷え込んできました。会員の皆様、風邪を引かれぬようご注意ください。
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