2010年は国連が決めた「国際生物多様性年」になっており、世界各地で様々なイベントが予定されています。
名古屋ではわが国が議長国として10月11日から「国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」を開催し、世界193カ国・地域から約1万人の参加が見込まれています。「生物多様性条約」は1992年のリオデジャネイロで開かれた地球サミット(国連環境開発会議)で、「気候変動枠組条約」と共に採択された条約で (1)
生物多様性の保全、(2) 生物多様性の構成要素の持続可能な利用、(3) 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正且つ衡平な配分を目的としています。
遺伝子組換で作られた生物(LMO;Living Modified Organism)の安全性は私たちの重要関心事の一つですが、会議前半の11〜15日は、鹿野農林水産大臣が議長で、LMOが国境を越える移動で生じる損害の責任と救済に関するルールと手続きなどを定める「カルタヘナ議定書第5回締約国会議(COP-MOP5)、後半の18〜29日は松本環境大臣が議長で遺伝資源の利用で得られる莫大な利益を資源原産国へ配分する国際ルール、生物多様性の損失を防ぐための目標設定などの議論が予定されています。利益の配分、多様性損失を防ぐための技術供与やコスト負担など関係諸国の剥き出しの利害を調整し、名古屋議定書を策定するのが議長国の手腕の見せ所となります。
最近は企業の環境対策にも社会的関心が高くなってきたので、大手企業の間では生態系保全への評価基準の策定が進められていて、取引先選別条件に加える動きも出始めているようです。
10月は「住生活基本法」の啓発活動の一環として国土交通省が「住生活月間]と定め、各地でシンポジウムや住宅フェアが開催されることになっています。KJKでは当会が定めた「10月19日は住育の日」の記念行事を兼ねて10月21日(木)にKJK会員と健康住宅アドバイザーを対象に「木炭から学んだ健康と住環境」のタイトルでセミナーを開催します。
今年12月開催の第49回健康住宅アドバイザー資格試験については受験者への支援として全国5地区での受験対策講座(有料)と、当会の携帯電話による「健康ネット会員」(無料)に会員登録して学習するEラーニング方式を用意しております。詳細は本ホームページを参照下さい。
皆さんお馴染みのKJKのホームページは先にご案内の通り、有益でより分かりやすいホームページを目指して10月よりトップページと構成のリニューアルを実施しました。皆さんの使い勝手に関するご意見やご感想などを参考にしながら改善していくことにしていますので、お気づきの点があれば遠慮なく事務局宛にご連絡下さい。
【メモ】
*COPとは、Conference of the Partiesの略で、国際条約を結んだ国が集まる会議(締約国会議)のことです。
*国連生物多様性条約とは、地球上の多様な生き物や生息環境を守り、その恵みを将来にわたって利用するために結ばれた条約です。
*「生物多様性」とは、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態を言い、さらに、生物が過去から未来へと伝える遺伝子の多様さまでを含めた幅広い概念です。
*地球上には3,000万種の生物種がいて、1年におよそ4万種の生物種が死滅していると言われています。
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