今年の日本の夏(6〜8月)の平均気温は統計を開始した1898年以降で最も高くなり、各地で最高気温や猛暑日の連続記録の更新などが報じられ、夏物商戦には追い風になったようですが、暑さに関わるトラブルや事故は増加しました。
気象庁は9月3日に異常気象分析検討会を開催し、今夏の日本に極端な高温をもたらした大規模な大気の流れについてその要因を分析し、検討結果の概要を発表しています。
対流圏の気温はエルニーニョ現象終了後数ヶ月間は上昇し、また、ラニーニャ現象が発生している夏は北半球中緯度の気温が高くなることが知られています。今年は5月にエルニーニョ現象終了後引き続いてラニーニャ現象が発生したので昇温効果の影響が重なり合って異常に気温が上昇したと考えられ、これには地球温暖化も関係している可能性があるそうです。
気象的には今夏の日本付近の亜熱帯ジェット気流は平年に比べて北寄りに位置したので太平洋高気圧が日本付近に張り出し、また亜熱帯ジェット気流がしばしば北側に蛇行して高層のチベット高気圧も日本付近へ張り出して、日本付近で背の高い暖かい高気圧が形成されたためと説明しています。
9月8日には台風9号(マーロウ)が福井県に上陸し、本州を横断し、静岡県で熱帯低気圧に衰えましたが各地で記録的な短時間大雨による浸水や土砂崩れによる被害が発生しました。
台風一過で熱帯夜の連続記録は中断し、久しぶりの安眠で一息ついた方も多かったと思いますが、週間予報では、これは束の間の小康で、今月中はまだ暑い日が続くようです。睡眠不足や食欲不振で体力が消耗している時は免疫力が低下して、ウイルス性疾患などにも罹りやすいので、適度の休息と栄養補給で体調管理には氣をつけましょう。
さて、KJKでは8月19日に早稲田大学の田辺新一先生を専門委員として迎えて発足した新設の研究部会「エコ住宅部会」の初回が開催され、環境技術と建築デザインの統合を目指した実験住宅である「T博士の家」の紹介がありました。この家は田辺先生が昨年末新築入居された自邸で、CASBEEの環境効率が5つ星のSランク評価の話題の住宅です。
8月23日はKJKの創立20周年記念日で、早くから健康住宅の重要性を認識して当会の活動に参画され、ご活躍いただいている諸先生や会員の方々からお祝いのメッセージと思い出や励ましの言葉をいただきました。KJKの歴史、活動に触れての大変貴重なコメントや含蓄のあるご意見を当ホームページの新着・イベント欄に紹介しています。皆様もぜひクリックしてお目通しください。
KJKのイベント事務局では9月21日(火)に当協会会員及び健康住宅アドバイザー登録者を対象に秋の見学会を開催し、茨城県古河市の積水ハウス「くらしのあかり館」と「ゼロエミッション住宅」を訪ねます。LED照明の利用や環境問題を考える良い機会になると思います。
本年12月12日(日)開催予定の本年度健康住宅アドバイザー試験一般コースは9月21日(火)から試験受付を開始します。本年度から改訂された新テキストとともに2010年健康住宅アドバイザー練習問題集も販売していますので早めにご入手ください。
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