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事務局だより
更新日:2010年6月24日
  ◇ 6月のおたより  ◇
 

 5月初旬に梅雨入りした沖縄はもう梅雨明けになりましたが、本土では6月中旬の気象情報の速報値では昨年より10日ほど遅れて6月12〜14日に九州から東北南部までが梅雨入りしたようです。
 昨今の梅雨は梅雨入り宣言が出て天気予報は雨でも傘が要らなかったり、空梅雨かと思っているとあちこちで土砂災害の警報が出るような集中豪雨が降り、晴れれば真夏の太陽がぎらつく暑い日が現れるといった不規則な気象が特徴になりました。おかげで、一昔前までの、毎日しとしとと降り続く長雨とかやけに蒸し暑くて鬱陶しかった梅雨時の想い出はすっかり霞んでしまい、今年はエアコンの下で、南アフリカのFIFAワールドカップやぺブルビーチの全米オープンゴルフのTV中継を楽しむ風情に変わってしまいました。
   6月15日に気象庁が発表した今年3〜5月の世界の平均気温はこの時期の気温としては統計を開始した1891年以降では平年差+0.41℃で1998年に並んで最高値となり、長期的には100年当たり+0.73℃づつ上昇しているそうです。その原因としては大気中のCO2などの温室効果ガス濃度の増加と昨年夏から発生しているエルニーニョ現象および十〜数十年単位で起こる自然変動を挙げていますが、最近感じる昔とは様変わりの梅雨空の変化もこの一連の要因の影響なのかもしれません。

 梅雨時の気象が多少変わってきたといっても、例年、この時期に住宅で顕著に発生する問題は雨漏り、結露、ダニ、カビです。新築住宅の雨漏りは住宅品確法で10年瑕疵担保責任の対象となる「構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分」の設計上の欠陥や施工不良などとともに経年劣化が考えられます。普段は気がつかない雨漏りは長時間の降雨や強い風雨の際に顕在化しやすいので梅雨時のメンテナンスの重要なチェック項目のひとつです。
 高湿度の日が続くので、閉め切った部屋や収納部などでは夜の低温時に露点以下となって結露しやすく、また気温より低い温度の水が流れる貯水タンクや配管などの露出部分は表面温度が露点以下となって結露するのが常識です。
 木材の部分で結露すると木材腐朽菌が増殖して腐朽し、金属の部分では酸化腐食が促進され、いずれも強度低下の原因となります。結露水で濡れた箇所にはカビが生え、カビが生えるとダニが発生します。カビはアレルギーや過敏性肺臓炎を引き起こし、ダニはアレルギーの最も大きな原因の一つです。
 本ホームページの防露部会のページには結露や防露に関する有用な知識や情報を紹介していますので興味がある方は参考にしてください。もっと突っ込んで勉強したい方はKJKの「健康住宅アドバイザー資格」を取得して専門技術者を目指されることをお勧めします。
 資格を取得された方には折に触れて関連業界や行政のトレンディーな動きやニュースなどを織り込んだメルマガサービスなども実施しています。

 すでにご紹介していますが6月20日は「健康住宅の日」です。梅雨時特有の気象環境が多くの人に「人の健康」と「住宅のメンテナンス」について注意をうながすよいキッカケになればとしてKJKが定めたもので、毎年、この前後の日に東京と大阪で「健康住宅」に関する知識を広め、「健康住宅」を実現するためのPRのイベントを開催しています。今年は6月20日に夏の「健康住宅アドバイザー試験」とKJK特製の絵葉書の配布を実施しますのでご期待ください。

日本健康住宅協会 理事 吉田佐門
 
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