例年、親しんできた気象庁による桜の開花予想が今年から中止され、民間に任されることになり、予報会社の予想精度の腕比べとサービスが見ものと期待していました。
桜の開花予想は、日本全国に拡がっていて桜の代表とも言えるソメイヨシノを基準として行われていますが、その理由は、ソメイヨシノには実生はなく、全て接ぎ木や挿し木で増やした同じ遺伝子を持つクローンなので、同じ条件なら同じ挙動を示す特徴があるからだそうです。
開花時期の予測には、花芽が休眠から覚めて生長し、開花するまでの生長量を日平均気温からDTSの計算式で15℃相当の日数に換算した値を積算して所定量に最も近くなる日として推定する手法が確立しています。しかし、この積算開始日と所定量は各地点毎に異なり、また、日平均気温の予測も、過去の気象データと最近の傾向を加味した統計的な判断を必要とするので、予報会社の専門のノウハウによる腕の見せ所となります。
今年の桜の開花は予想よりも早くまず西日本では3月10日の高知を手始めに、3月14日には福岡と松山で開花し、本州の各地でも開花前線は平年に比べてかなり早いペースで北上し、4月下旬には青函海峡を越えて北海道に渡る見通しのようです。
張り切って乗り出した民間大手予報会社による今年の開花予想合戦は、春先の寒暖の差が大きく不安定な気象状況に撹乱されたのか、各社とも緒戦から躓き多少不本意だったようですが、開花してから気温が低い日が続いたせいで記録的な長期の花持ちとなり、お花見には好都合でした。
気象庁は桜の開花予想は止めましたが、季節の進みや遅れ、気候の違いなどの総合的な気象状況の推移を把握するために、比較的観測が容易で、社会的関心が深い植物や動物についての季節観測は続けており、植物ではウメ・サクラ・アジサイの開花日、イチョウ・カエデの紅葉した日を、動物ではウグイス・アブラゼミの鳴き声を始めて聞いた日、ツバメ・モンシロチョウ・ホタルを始めて見た日を等期日線図として記録を作成しており、桜の開花前線と同様の形状で、季節が深くなるにつれて北上していく様は大変興味があります。
最近は温暖化によって、シロアリや害虫類などの生物の生息北限がどんどん北上していく話を聞きますがこのような現象の記録も重要なことだと思います。
KJKでは4月上旬、東京支部事務所の移転を実施し、足立区の新支部事務所に業務を引き継ぎました。新事務所では慣れるまで多少ご不便を掛けるかもしれませんが、よろしくお願いします。
東京と大阪で6月20日開催の第48回ハウスメンテナー試験の申込受付は4月1日から本部事務局で実施しています。
5月26日(水)には「けいはんな学研都市木津地区」の積水ハウス椛麹住宅研究所で納得工房の見学会と第20回の通常総会および成果発表会を予定しています。詳細については、後日、本ホームページおよび会員の方にはメールにて案内します。
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