2月27日にチリ中部の沖で発生したM=8.8の大地震は現地に大被害を引き起こしましたが、その時発生した津波は、ジェット機並みの速度で1昼夜をかけて17,000kmも太平洋を突っ走りはるばると地球の表側の日本まで到達しました。
気象庁では50年前に起きたチリ沖地震の悪夢の再現を想定したのか津波の高さが3m以上の時に発令される大津波警報を出しましたが、結果は最大1.2mで被害も少なくやれやれでした。
気象庁は3月9日に地震の発生機構について詳細な分析結果を発表していますが、批判の声も聞かれた津波の高さの精度については、太平洋全域の海の深さに関するデータは軍事機密に属して非公開なので既知の測定値から推定するしかなく精度が落ちるのはやむを得ないようです。
しかし、日本近海については、近い将来に発生が予想される東海地震に備えて、過去に発生した膨大な地震データの蓄積と詳細に測定して作成した海図から精緻なシミュレーションによるデータベースが構築されていて、地震発生後、遅くとも3分以内には適切な津波予報を出せる仕組みが整っているそうです。
今年の冬は各地で大雪が降ったかと思えば初夏並みの暑い日が現れたり、気温の乱高下が続いていますが、世界的にも北半球の中高緯度で異常低温と異常高温の発生が報道されています。
3月3日に発表された気象庁による異常気象検討会の資料によれば、高緯度の北極圏で平年より気圧が上がり、中緯度で平年より気圧が下がる現象は「負の北極振動」と呼ばれていますが、今年は比較するデータが存在する1980以降で最も顕著な「負の北極振動」となり、地表では北極の寒気がユーラシア大陸と北米大陸の中緯度まで南下して異常低温となり、カナダ北東部からグリーンランドにかけては著しい高温になったと報告されています。
3月10日のエルニーニョ監視速報によると、今年の日本ではエルニーニョ現象で冬型の気圧配置が弱くなっており、「負の北極振動」で日本列島に寒気が流れこんで一時的に平年より気温の低い日はありましたが平均気温は平年より高い傾向が続いています。ちなみに2007年や2008年のように「正の北極振動」が発生している冬期にはヨーロッパの気象は温和で雨が多くなり、日本では暖冬の傾向になりやすいようです。
3月23日は、世界気象機関条約が発効した1950年のこの日を記念してWMO(世界気象機関)が定めた「世界気象デー」です。当日は気象知識の普及や国際的な気象業務への理解を勧める日とされていて今年は丁度60周年になります。わが国は1953年にWMOに加盟し、地域気候センターに指名されています。
私達は何か行事がある時にはいつも天気予報をチェックしますが、健康や安全と気象との関係についても気をつけておきたいものです。
KJKでは毎年12月に実施していた健康住宅アドバイザー試験を、受験者の方の要望もあり、今年からは6月にも追加して年に2回実施することを前号でもお知らせしていますが、この度第48回健康住宅アドバイザー試験を6月20日(日)に東京と大阪で開催することが決まりましたので本ホームページでご案内します。今回の受験会場は2会場だけですが12月には全国5会場を予定しています。
申込の受付は4月1日からとなっていますが、早めに準備されるようお願いします。
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