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住宅の環境生物に関するアンケート調査報告書(1995年4月20日)
カーペットの使用期間と屋内塵性ダニ類の発生の関係調査 (1998年8月)
専門業者と一般の人によるカーペット掃除後のダニ残量調査(2000年8月1日)
住宅内の飛翔性昆虫の季節消長の調査(2003年6月2日)
「害虫豆知識」(害虫の被害・生態・対処法) (2005年3月11日)
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越冬・イン・ザ・クローゼット(2009.3.1)
本格的な冬に入る前に、クローゼットにしまっておいた冬着を出した。ところが、昨冬は全く着なかったウールのPコートやマフラーが、クリーニングしておいたはずなのに、あちこちに穴が空いていた。あわててクローゼットや他のタンスの中の衣類を、全部ひっぱり出して、掃除機をかけた。穴を空けた犯人の目星はついている。ヒメマルカツオブシムシという甲虫の仲間だ。なかなか目につきにくい虫だが、ダニ調査で、掃除機のゴミなどを顕微鏡で見ていると、多くの家で、この幼虫の抜け殻が見つかる。我が家でもよく目にしていて、気にはなっていたのだ。
衣類に穴を空けるのは幼虫のみで、特に動物性繊維(絹、毛など)が被害にあうが、汗をかいたり、洗濯が不十分なまま保管していると、綿などもやられることがある。春に現れた成虫は屋外で、キク科植物の花粉を食べているが、交尾後、屋内に侵入し、保存食品(名前の“カツオブシムシ”はここから来ている)の他、衣類に産卵し、幼虫がこれらを食べて育つ。成虫は体長3〜4mmで、顕微鏡で観察すると、なかなか渋い美しさがあるが、幼虫は毛むくじゃらで、手でつまもうとしても、体をくねらせてなかなか捕まえられない(写真参照)。人の健康に影響はないが、衣類の表面に小さな穴を空けられた経験のある人は、意外に多いかもしれない。
我が家では普段から、虫には寛容であり(笑)、対策らしいことは何もしていないが、心配な方は夏季にタンスやクローゼットをときどき開放して、換気・掃除をし、防虫剤を定期的に交換するといいでしょう。以前はパラジクロルベンゼンがどこでも使用されていたが、最近はピレスロイド系のものが多くなってきた。
衣類の害虫としてはカツオブシムシ類以外にイガ(字はずばり、衣蛾)というガの仲間もあるが、最近はカツオブシムシと遭遇することのほうが多いように感じる。
これからの時期、カツオブシムシの老齢幼虫はクローゼットやタンスの隅で越冬し、来春、蛹を経て、成虫が羽化してくる。
衣類の害虫ヒメカツオブシムシ 左:成虫、右:幼虫
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