空気環境部会
においのQ&A

においの測定、評価方法

“におい”の測定、評価方法は?

においの評価方法
 においの評価方法として、人の感覚(嗅覚)による評価方法と、機器を用いた測定による評価方法があります。それぞれ目的に応じて選択すると良いでしょう。


人の感覚による評価基準
においの強度の分類<6段階臭気強度表示法>
(低濃度臭気、環境測定用)

臭気強度 判定
0 無臭
1 やっと感知できるにおい
(検知閾値濃度)
2 何のにおいであるかがわかる弱いにおい(認知閾値濃度)
3 楽に感知できるにおい
4 強いにおい
5 強烈なにおい
悪臭防止法で指定されている化学物質には、臭気強度のレベルに応じた化学物質濃度が示されています。(Q11.参照)

においの快・不快度<9段階快不快度表示法>
(悪臭被害実態を数値化(客観性が難しい))
においの許容 判定
+4 極端に快
+3 非常に快
+2
+1 やや快
0 快でも不快でもない
-1 やや不快
-2 不快
-3 非常に不快
-4 極端に不快


人の感覚による測定、評価方法

測定方法の種類 測定方法 特 徴
三点比較式
臭袋法
現場から捕集した空気を人間の嗅覚で感知することができなくなるまで希釈し、その希釈倍数の常用対数の10倍を「臭気指数」として評価する。正常な嗅覚を有することを確認された者6名以上を試験者とし、評価結果を統計的に処理して臭気指数を算出する。(臭気判定士の資格を有する者が行う。) 悪臭全般(混合臭気)に対する感覚での評価。評価結果を統計的に処理することにより、実際に人が感じる臭気の強度を平均的に評価できる。特定成分の分離・定量はできない

官能試験法(悪臭防止法の指標) (参考)非容認率(あるいは不快率)
 外来者が入室時に不快に感じたり、その室内空気を容認し難いと感じたりする人数の割合(%)で表す方法。
 欧米では、一般的な室へ外来者が入室した場合、その20%以上の人が不快あるいは非容認するような室内空気質にしないように規制している。


機器を用いた測定、評価方法

測定方法の種類 測定方法 特 徴
機器分析 測定現場の対象空気を成分に応じた方法でサンプリングし、濃縮等前処理を行い各種クロマトグラフィーにより分離、定性・定量する。 悪臭構成成分の特定及び詳細な定量評価が可能。捕集及び分析に大がかりな装置を要し、コストもかかる。
検知管式 特定の化学物質に反応する薬剤を充填したガラス管(検知管)に一定量の空気を吸引し、薬剤の変色により臭気成分の濃度を測定する。 簡易的に現場での測定が可能。一般的には感度が低いため、高濃度の臭気に対してのみ有効であり、生活環境の実際濃度レベルには適用できない場合がある。(最近では、吸着→加熱脱着→濃縮→定量という方式により低濃度測定対応のものもある。)
においセンサーを用いる方法 酸化スズ等、気体の吸着により電気的特性が変化する材料を用い、臭気成分の濃度を電気的に検知する。 簡易的に現場での測定が可能。湿度等の影響を受ける場合がある。臭気成分の特定ができない。測定値の評価(臭気強度との関係など)が難しい。