においの低減方法と低減効果
臭気対策の考え方
日常生活においては、可能な限り臭気の発生を抑制すること(発生源管理)が効果的です。しかし、いったん臭気が発生した場合はまずは換気を行い、状況に応じて空気清浄機や消臭・脱臭剤を組み合わせて利用すると良いでしょう。
各発生源に対する臭気対策
<○:一般的に適用、△:条件により適用可能、空欄:適用外または不明>
発生源 | 主要な臭気 | 臭気対策 | |||||||
発生源管理 | 換気 | 空気清浄機 | 消・脱臭剤、芳香剤 | ||||||
物理的 | 化学的 | 生物的 | 感覚的 | ||||||
居間 寝室 |
人間 | 体臭 | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ||
喫煙 | たばこ臭 | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ||
建材 | 建材臭 | △ | ○ | △ | △ | △ | △ | ||
冷暖房機 | 排ガス臭、カビ臭 | △ | ○ | △ | △ | △ | ○ | ||
ペット | 糞尿臭、体臭 | △ | ○ | ○ | △ | ○ | △ | ○ | |
便所 | 便器、床 | 排泄物臭 | △ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
台所 食堂 |
調理 | 調理臭 | ○ | ○ | △ | △ | △ | ||
生ごみ | 生ごみ臭 | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | |
食器棚、 シンク下 |
食品臭、カビ臭 | △ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ||
冷蔵庫 | 食品臭 | △ | ○ | ○ | △ | △ | |||
浴室 | 排水口、 壁・天井 |
排水口臭、カビ臭 | △ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | |
玄関 | 下駄箱 | 履物臭 | △ | ○ | △ | ○ | ○ | △ | ○ |
空気清浄機の種類
方式 | 備考 |
オゾン拡散式 | オゾンは気相中での反応速度は極めて遅く、拡散式の場合、分解脱臭効果はほとんど期待できない。ただし、鼻粘膜を刺激するためマスキングによる脱臭効果があるが、人体への危険性を考慮する必要がある。 |
イオン式 | ガス成分の捕捉および分解のメカニズムが不明であり、効果は期待できないものと思われる。 |
集塵フィルターのみ (脱臭機能なし) |
集塵フィルターは粉じんを捕捉するが、ガス成分はほとんど吸着しないため効果は期待できない。 |
吸着剤 (分解併用含む) |
吸着剤量・温度・湿度・対象臭気成分・濃度・経年変化などにより、吸着性能が変化するため、それぞれに応じた性能評価が必要。また、温度・湿度・濃度変化等によりいったん吸着した臭気を再放出することがあるので使い方に注意が必要。(吸着剤例:活性炭、ゼオライト、ケミカルフィルター) |
分解式 (吸着剤なし) |
分解エネルギー・対象臭気成分により分解性能が異なるため、それぞれに応じた性能評価が必要。現状では、臭気発生量(臭気ガス分子数)に十分対応できる量の酸化活性種を家庭用小型装置として生成する技術は見当たらない。また、分解により中間生成物が生成され、異臭を放つ場合があるため注意が必要。 (分解方式例:プラズマ、光触媒) |
消臭剤、脱臭剤、芳香剤の原理
物理的消臭 | 多孔質物質や溶剤などの吸着、吸収、被覆作用などを利用して、物理的に臭気を除去・緩和する/換気や密閉等により臭気を除去、軽減する |
化学的消臭 | 中和反応や酸化還元反応などの各種化学反応を利用して、化学的に臭気を除去・緩和する |
生物的消臭 | 微生物で有機物を分解したり、薬剤の防腐・殺菌作用を使い、細菌による腐敗を防ぐことなどを利用して、生物的に臭気を除去、緩和する。 |
感覚的消臭 | 香料や精油等の芳香作用、マスキング作用、中和作用などを利用して、感覚的に悪臭を緩和する。 |