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シロアリについて |
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一般的にクロマツ、アカマツ等のマツ類を好む傾向があります。また木材の中心部である心材より周辺部の辺材を好み、辺材の中でも硬い秋冬部分よりも春夏部分を好みます。つまり柔らかい木材が好みといえます。一方、ヒバ、ヒノキ等は天然の昆虫忌避成分を含むため、耐蟻性の高い木材として知られていますが、比較的短期間でその成分は揮散してしまいます。よって建物に使用されている樹種に関わらず、木材であればシロアリに加害される可能性がありますので、定期的な床下診断が必要なのです。 |
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シロアリの栄養源は、木材や紙に含まれるセルロース類やヘミセルロース類ですが、ほとんど栄養にならないと思われるゴムや断熱材として用いられる発泡スチロール等にも加害します。これはシロアリが土中を進んでいるうちに、ある障害物にあたると本能的に“かじる(アタック)”行動を起こし、加害可能となれば“かじり続ける(加害する)”という理由からではないかと考えられています。そうしたことから工場等では地下ケーブルが加害され、大きな被害を出すこともあります。また最近普及している床下断熱工法を採用した住宅についても留意しておきましょう。 |
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もしもシロアリが家に侵入していることが分かったら、早急に専門業者へ床下診断を依頼してください。一度建物に侵入したシロアリは、自然にいなくなることはありません。虫歯のように、早期発見、早期治療が費用軽減につながります。 |
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調査について |
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通常は和室の畳を2枚程度上げるか、台所等の床下収納庫より床下に入り、シロアリの被害を中心に、湿気・カビ・腐朽・水漏れ等の床下状況を専門家が調べます。所要時間は大体30分程度です。家の方が事前に準備することはありませんが、床下に入る所(1階の和室または台所等の床下収納庫など)の物の整理等をお願いするのが一般的で、調査がスムーズになり時間も短くて済みます。※調査費用は有料 |
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使用する薬剤について |
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地中の状況は確実に把握できないため、施主側から可能な限りの情報提供をいただき工事を実施します。このような場合、土壌処理に関しては通常の液剤散布ではなく、粒状薬剤による施工やベイト工法となります。木部処理は原則として、塗布処理を行います。ただし、井戸が施工部分に近接し、かつ飲料用として使用されている場合は工事ができない場合もあります。 |
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シロアリ防除用薬剤散布直後に、極微量検出される場合があります。しかし、散布後数時間経過すれば、ほとんどの場合は検出限界(0.5μg/m3)以下となります。従いまして極微量値を含めると、居住空間への流入は一時的には認められる場合がありますが、人体への影響は少ないと考えられます。 |
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まず何に対してアレルギーを起こすのかをご確認ください。シロアリ防除薬剤には、有機溶剤(石油系)が含まれている薬剤もあります。灯油等でアレルギーを起こす場合には工事を実施しない方が良いと思われます。しかし、シロアリによる建物被害対策を優先し、工事をおこなう場合は、工事後約1週間程度は別の建物へ移動されることもひとつの方法です。いずれにしても工事方法については、多くの選択肢がありますので、事前に業者と十分相談してください。 |
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有機塩素系・有機リン系薬剤が主流であった時代は、有機溶剤の臭気が多く不安を持たれた方もおられましたが、現在では臭気の少ない薬剤がほとんどです。理由としては、・製剤中の有機溶剤含有量が低下したこと。・水ベースの製剤(フロアブル剤、マイクロカプセル剤など)が開発されたこと。・有効成分の濃度が1/10以下に、蒸気圧が1/100〜1/10,000以下になったことなどが挙げられます。また近年は、天然物質を使用した製剤も出てきています。しかし、これらの中には非認定剤〈認定剤:木部の防腐措置、及び防蟻措置、土壌の防蟻措置を目的とし、その効果・毒性などを検査し(社)日本しろあり対策協会・(社)日本木材保存協会により認定された薬剤〉も多いので注意が必要です。化学物質を使っているから危険、天然物質を使っているから安全ということは一概に言えません。優良業者は用途に合った適切な使用によって安全が確保できるように万全な施工に努めています。
※2002年7月に施行された建築基準法の改正により、有機リン系薬剤、クロルピリホス(防蟻剤)は使用が禁止されました。 |
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土壌処理剤にフロアブル剤またはマイクロカプセル剤を使用し、木部処理に有機溶剤含有量の少ない製剤(乳剤型)を使用することをお薦めします。良心的な業者であれば、通常からこのような薬剤を使用しています。注意点としては、工事後の換気を必ず実施することです。臭気は低減されていますがゼロではありません。臭気の原因は有機溶剤ですので、換気することでより早く臭気を取り除くことができます。また施工業者の工事仕様も重要です。価格に捉われ過ぎて、肝心な施工が粗雑では意味がなく、安全面の低下も危惧されます。事前にどのような薬剤で、どこに、どのような施工をおこなうのか聞いておいてください。使用する薬剤と工事方法の説明が誠意的におこなわれれば、おおよそ安心できると思われます。 |
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工事見積(価格)について |
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現場を調査した上でないと正確な見積は出ませんが、1階床面積×単価が概算の工事金額になります。ただし加害するシロアリの種類等により、小屋組まで被害が拡大している場合は、別途の見積となります。いずれにしても調査をおこない、丁寧な説明・見積を依頼することが必要になります。〈一般的な標準価格の目安は、1階床面積20坪(木造在来工法)で、ヤマトシロアリの被害の場合は約20万円程度です。〉 |
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複数の業者から見積もりをとることをおすすめします。
価格は工事材料費、人件費、管理の諸費用等を勘案し、算出されていますので、もしあまりにも安い価格が提示されましたら、このいずれかを削減していると考えられます。またあまりにも高い価格にも用心した方が良いと思われます。シロアリ防除施工は「価格」よりむしろ作業方法や作業後の注意点についての説明等の工事仕様が重要です。(社)日本しろあり対策協会の会員であるか、プロの技術者(シロアリ防除施工士の有資格者)が作業に従事しているか、調査・見積書に社名、所在地、連絡先が明記されているかなど、適正な価格・工事仕様で実施してくれる信頼のおける業者選択をおすすめします。 |
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保証について |
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現在、ほとんどの場合5年間です。その内容は保証期間中、工事した建物より万一シロアリが発生した場合、無料で再施工をおこなうというものです。またシロアリ防除工事中の事故(器物破損等)についても原則として保証されます。 |
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施工後のフォロー(再施工)について |
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保証が切れるということは、シロアリに効果がある薬剤の有効成分量が減少してきて、シロアリの侵入が可能になるということですので、再度点検をして、シロアリがいなくてもシロアリ予防をおこない、保証を継続した方がいいでしょう。費用は床面積、床の高さ、点検口の有無などで異なりますが、一般駆除価格以下でできます。必ず見積を取ってから実施してください。 |
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少なくとも10年以上が経過した住宅については、シロアリの保証期間は切れています。新築以来一度も床下を見たこともない場合には是非床下を点検して健康状態を診断することをおすすめします。床下の点検により、シロアリ被害の有無の他、湿気、地盤、布基礎の状態、通風、換気、配管の外れ、水漏れ等をチェックできるメリットがあり、悪くなったところを見直せるチャンスです。診断の結果、シロアリの被害が無くても、今後シロアリが発生したり、隣近所から侵入することを防ぐため再度予防工事をおこない、マイホームの維持管理につとめる必要はあると思います。一度シロアリの被害を受けると、多額の駆除費用、修繕費が必要となります。予防工事は自分の家を長持ちさせる重要なポイントです。 |
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その他 |
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居住する建物でシロアリが発生して駆除工事(新築及び既設予防工事を除く)をおこなった場合のみ還付対象となります。所轄税務署に還付請求すると、工事金額の一部が雑損控除対象となり、還付される場合があります。詳しくは所轄税務署窓口等にお問い合わせください。なお、申請時に工事代金の領収書等の提出が必要となります。 |
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