においとは
“におい”を発する物質はどのようなものですか?
においの質や強さには、におい物質の分子を構成するある特有の元素や分子量、分子構造が影響します。においと分子構造との関係については、香料化合物で多くの研究がなされていますが、分子構造が多岐にわたること、嗅覚が多様なことなどから一貫した規則性が見いだしにくいとされています。
そういった中で一般則ではありますが、特定の分子構造とにおいの相関で比較的広く該当する規則性が見つけられています。
(1) 炭素数 | : | 骨格となる炭素数は、低分子ほど官能基特有のにおいが強く刺激的だが、8〜13で最も香気が強くなる。 |
(2) 不飽和度 | : | 二重結合や三重結合の数が高まるとにおいがより強くなる。 |
(3) 硫黄、窒素の有無 | : | 分子内に硫黄(S)や窒素(N)があるとにおいが強くなる。 |
(4) におい官能基の有無 | : | 分子内に官能基(水酸、カルボン酸、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、ラクトンなど)があるとにおいが強くなる。 |
(5) 水酸基の数 | : | 分子内の水酸基の数は、一つの時が最も強く数が増えると弱くなり無臭に至る。 |
(6) エステル化合物の有無 | : | エステル化合物は、構成する酸やアルコールより芳香が優れる。 |
芳香族 | 炭化水素 | 二重結合(-C=C-) |
含酸素 |
アルコール・フェノール(-OH)、ケトン(=CO)、カルボン酸(-COOH) エーテル(-O-)、ラクトン・エステル(-CO-O-)、アルデヒド(-CHO) |
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含窒素 | ニトロ(-NO2) | |
悪臭 | 含窒素 | ニトリル(-CN)、イソニトリル(-NC)、アミド(-NH2) |
含硫黄 | チオエーテル(-S-)、チオシアン(-SCN)、イソチオシアン(-NCS) |