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マンションから工業化住宅(プレハブ住宅)に移りましたが、音が良く聞こえるように感じます。なにか違いがありますか ?
音には、大きく分けて、「空気音」と「固体音」の2種類があります。
「空気音」は、話し声やピアノの楽器音、カラオケの音など空気中を伝わって耳に届きます。「固体音」は、2階で子供が飛び跳ねる音、自動車や電車の振動、水周りの設備音など、床や壁の中を振動として伝わって最終的に耳に届きます。
また、音が壁や床などを通り抜けるときにどれだけ小さくなるかという性能を、「遮音性能」と呼びます。

良く音が聞こえるように感じると言われる場合は、空気音よりも床衝撃音のことが多く、その原因はRC造のマンションと工業化住宅を比べると「遮音性能」に以下のような差があるためと思われます。

マンションや工業化住宅などでは、

空気音の「遮音性能」としては、外壁面の外壁、サッシおよび、室内の間仕切壁、扉などが主なものです。
空気音の遮音性能は、D-30、D-35、D-40などと現し、数字が大きくなるほど性能は良くなります。

固体音の「遮音性能」としては、「床衝撃音遮断性能」が代表的なものです。「床衝撃音遮断性能」には、 「重量床衝撃音遮断性能」と「軽量床衝撃音遮断性能」の2種類あり、重量はLH-50、軽量はLL-50などと表現し、数字が小さくなるほど性能は良くなります。重量は子供の飛び跳ね音など、軽量は椅子の引き摺り音・物の落下音などです。

良く聞こえる音が、建物の外部からの音であれば、まず、周辺環境が変化していないか確認してください。
次に、外部の騒音は、主にサッシから室内に侵入しますが、サッシの種類が同じであれば、マンションも工業化住宅も大きな性能差は無いと思われます。たとえば、引き違いサッシであれば、マンションも工業化住宅もD-25程度です。(高層マンションの高い階では、性能の良いサッシが使われている場合があります。)
サッシの種類によっては、遮音性能が違うことがあります。たとえば、引き違いサッシよりも片開きサッシの遮音性能が良い傾向にあるようです。

良く聞こえる音が、上階からの子供の飛び跳ねなどの重量床衝撃音であれば、マンションと工業化住宅の床構造の違いに原因があると思われます。

重量床衝撃音は、一般的に床の強さ(剛性)と重さ(重量)が大きいほど性能が良くなります。
つまり、RC造のマンションでは、床のコンクリートスラブが厚いほど床の強さ(剛性)と重さ(重量)が大きくなります。
最近のマンションのコンクリートスラブ厚さは20cm以上(約480kg/u以上)ありますので、 L-50前後になります。
工業化住宅の2階床は、ALC(厚さ10cm 約70kg/u)が多く使われていますが、その性能は  L-65前後であり、RC造のマンションに比べると3ランク程度(5dBで1ランク)性能が悪くなります。

軽量床衝撃音は、床の仕上げ材や下地材に柔らかい物やクッション材を使用することにより性能が良くなります。RC造のマンションでは床仕上げ材に防音フローリングやゴム足の付いた2重床にフローリング仕上げをすることによりLL-50前後になります。工業化住宅ではALCに下地材を貼り、通常のフローリングを貼り、LL-65前後であり、重量と同じく、3ランク程度性能が悪くなります。

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