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どこからか分からないが、建物から「ピシ、パシ」と音がする。原因がわからないので、不安になります。建物の不具合、不良ではないですか?不具合でないとすれば、音の発生要因として、どのようなものが考えられますか ?
日常、建物の内外では、いろいろな音がしています。
それらの音の発生要因は、人の生活音、設備機器から発生する音、自然現象によるものなど多種多様な要因が考えられます。
小さな音でも、発生の原因がわからない音は、不気味なもので気になるものです。
人の生活音、設備機器から発生する音は、比較的発生原因がわかりやすいものですが、自然現象が原因で発生する音は、発生部位が分かりにくく、また、一般の方々にも広く認知されていないため、問題となることもあるようです。
自然現象が原因で発生する音には、下記のようなものがあります。
□ 太陽の日射や室内と室外の温度差等によるもの
太陽の日射や内外の温度差により、建築部材の熱膨張収縮量に差が生じることで、部材の接触部分に応力が発生します。この応力が解除される時に、摩擦音、こすれ音が発生するものと推定されます。
例えば、
軒樋、縦樋から(パシ、ピシ、プチ、)
化粧胴差から(バシ、ビシ)
サッシおよびサッシと周囲壁の取り合い部分などから(パキ、ペキ)
外壁面、天井面から(ピシ、パシ)
ポリカ製カーポート屋根から(パチ、プチ)
エキスパンションジョイントから(ゴン、コン)
ジョイントから(パキ、ピシ)
その他(ペシ、プチ、パシ、ドン、トン、バーン、ドーン)
住宅でよく使われる建築材料の伸縮量を下表に示します。
住宅の建築は、多種多様な材料を接合し、貼り合わせをして造られています。よって、これらの材料の熱膨張収縮差異による摩擦音やこすれ音は、やむをえず発生する場合が多く、設計や施工不良(例えばボルト接合不良や、金物固定不良)等が原因である可能性は小さいと考えます。
一方これらの熱膨張収縮音の解消対策としては、現在明確な手法がありません。
施工をやり直す事により偶然的に解消する場合もありますが、いろんな材料が組み合わさり、接触部位が無数にあるため、全く無くなることは無いと考えます。
□風の力によるもの
サッシの笛鳴り音 (ピュー、ビーン)
鼻隠し、水切りの風切り音 (ビーン、ブーン)
縦子手摺の風による振動音 (ビーン)
アンテナ支柱、支線の風による振動音 (ビーン、ブーン)
その他の音(ギーギー、ゴー、ビュー、グァー、ガガ、ウーウー)
□発生部位が分かりにくい物
照明器具のフードから(ピシ、プチ、ポト、)
バスコアから(ピシ、)
排水管から(プチ、)
浄化槽ブロアから(ブーン)
木材の乾燥収縮による摩擦音(ビシ、バキ)
これらの音の特定は、難しいものですが、まず発生部位、時間、状況をよく確認し、原因を推定することが重要です。