2011年3月11日に発生した巨大地震は、東日本一帯に甚大な被害をもたらしました。
また、福島第一原子力発電所の事故により、避難を余儀なくされ、不自由な生活を続けている方もいらっしゃいます。当該地域の方々には心からお見舞い申し上げます。
わが国は、震災以前から、地球温暖化対策として、職場や家庭でさまざまな省エネに取り組んできました。震災以降は、節電ということでその流れがより加速しています。
特に、首都圏では、電車の間引き運転、サイン・看板の消灯、エスカレーターの運転停止、駅の蛍光灯も半数は外され、以前よりも数段暗い雰囲気です。
これまでが明るすぎたといえば確かにその通りですが、街の暗さによって、気分まで暗くなり、生産活動まで停滞したのでは真の復興は望めません。
折しも、新たな光源LEDの登場により、照明の世界も大きな転換期を迎えています。
世の中の省エネ志向の高まりと呼応して、関連各社の品質の向上とコストダウンが急速に進んでいます。関連各社は競うように新技術、新商品を次々とリリースし、照明がLEDに変わった店舗を見つけることも多くなりました。まだ、手ごろな価格とは言えませんが、省エネで長寿命ということで、量販店にはLED電球が並び、売れ行きも好調に推移しているようです。
先日、会社近くの電気店に立ち寄った時、60代と思わしきご夫婦がLED電球の前で、困り果てていました。あまりの種類の多さに、どれを選んでよいかわからず、店員への質問が10分ほど続き、ようやく納得したのか10個ほどまとめ買いして帰っていきました。
LED照明が市場に登場したのはここ数年で、LED=省エネという情報までは伝わっても、LEDをうまく使いこなす情報までは生活者に伝わっていないのが現状です。
当部会では、このような時期だからこそ、住まいのあかりを見直し、こころまで暗くならない“明るい節電”につながる情報発信をしてゆきたいと思います。
我慢や辛抱は日本人の得意技ですが、長くは続きません。
賢く無理のない明るい節電を心がけましょう。
(後藤 浩一)