空気環境部会
においのQ&A

においの感じ方や人体への影響

“におい”を感じる濃度はどれくらい?

悪臭物質の臭気閾値
 何のにおいかはわからないが、人が何らかのにおいを感じる最低濃度を「臭気閾値(しゅうきいきち)」あるいは「検知閾値(けんちいきち)」と言います。また、何のにおいか判別がつく、どんなにおいか表現できる最低濃度を「認知閾値(にんちいきち)」と言います。
 上記のにおいの閾値と、厚生労働省の室内濃度指針値と比較してみました(以下、表参照)。厚生労働省の室内濃度指針値の中では、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒド等の指針値が臭気閾値よりも若干高い濃度になっています。すなわちこれらの物質は、指針値以下でもにおいがするということなります。
 においがするからと言って一概にすべて有害だとは言えませんが、室内にいて何らかのにおいを感じたら、発生源の確認等が必要かと思われます。

  化学式 分子量 におい (参考)
厚生労働省
室内濃度指針値(ppm)
※25℃換算
室内濃度が
厚生労働省
指針値以下
だったら・・・
臭気
閾値
(ppm)
認知
閾値
(ppm)
ホルムアルデヒド HCHO 30 0.41 1.9 0.08 におわない
トルエン CH 92 0.92 4.8 0.07 におわない
キシレン (CH 106 0.11 0.52 0.20 においがする
エチルベンゼン CHCH 106 0.17 (調査中) 0.88 においがする
スチレン CH=CH 104 0.033 0.17 0.05 においがする
アセトアルデヒド CHCHO 44 0.0015 0.015 0.03 においがする

出典 :石黒辰吉 著:「臭気対策の基礎と実際」、株式会社オーム社